春の星座

 春の夜空には、明るい星が少なく、また水蒸気が多く星の輝きも鈍ってしまい、
全体の星の数も少なくなっています。
そのかわり、大きい星座が多いです。No2の大きさも持つおとめ座
No3のおおぐま座やそして、No1のうみへび座もあります。
春の夜空で目立つしし座
北の空には、似たような形をもつ、おおぐま座こぐま座があります。
また、2匹の熊の東の空にはうしかい座が輝いています。

おとめ座

 おとめ座は春の代表的な星座の一つで、全天で2番目に大きな星座なのですが、

明るい星が少なく1等星のスピカ以外は目立ちません。

このスピカは白く美しく輝き、日本では真珠星とも呼ばれる事もあります。

うしかい座のアークトゥルスとセットで夫婦星とも呼ばれる事もあります。

ギリシア神話では、主に二つの説があるようです。

  ★アストラエア説。

昔は、人は働かなくても自由に食物をとって暮らせたのですが、

やがて、四季が分れて食物は段々と少なくなり、

人間の社会にも争いがたえなくなり、神々はどんどん、

人間を見捨てて人間界から離れていきました。

 そして、アストラエアが天に上っていった姿がおとめ座だと言われています。

 補足ですが、東の隣は、女神アストラエアが正邪をはかる

と言われているてんびん座があります。

  ★実りの神デメテル説。

デメテル説は、農業の神の娘である豊作の神であり、

右手に麦の穂をもっているという説です。

こちらも補足ですが、スピカはラテン語で、『穀物などの穂』を意味しています。

しし座

 春の星座の中では最も、形の整った分りやすい星座がしし座です。

ちょうど、クエスションマークを逆にしたような形をしていて、

ししの大鎌と呼ばれることもあります。

 前足には1等星のレグルス(小さい王 という言う意味)があり、尻尾のところにはデネボラ(ししの尾)があります

 ギリシア神話では、不死身のライオンだったとされています。

そして、辺りをあらしまわっていたのですが、

勇者ヘラクレスによって、退治されてしまいました。

 そのライオンが後に天に上げられて、星になったとされています。

うしかい座

うしかい座のアークトゥルスは春の星座の中で1番明るく、

全天でも4番目と非常に明るい星です

 おおぐま座の後を追って行く男の姿を想像して、この名前がついたと言われています。

 また、2匹の猟犬を連れているようにも見えることから

熊の番人とか猟師などと見られることもあるそうです。

 アークトゥルスは熊の番人という意味です。

 また、このうしかい座は、大地をかつぐ、巨人アトラスとも言われています。

おおぐま座

おおぐま座は北の空に輝く星座です。全天の中でも3番目に大きい星座です。 北斗七星を尻尾に持つ星座です。

 この北斗七星は、北極星を探す時に目印となります。

北斗七星は、ちょうどひしゃくのような形をしていて、

日本ではひしゃく星と呼ばれていました。

 ギリシア神話では、月の女神のアルテミスの侍女の中にカリストという、

活動的で美しい女性がいました。

 そして、彼女に大神ゼウスが恋をしました。やがて、美しい男の子が生まれましたが、

ゼウスの妻のヘラが、そのことを知り、カリストを醜い熊にしてしまいました。

 それから月日が過ぎ、カリストの子供のアルカスが立派な猟師になりました。

 そして、ある日大きな熊に出会いました。

 それは、自分の母親であるカリストなのですが、それに気付かず、

殺してしまおうとした瞬間、このことを哀れに思ったゼウスが

 アルカスも熊に変えて二人を天にあげたと言うことです。

それが、おおぐま座とこぐま座です。

こぐま座

このこぐま座は有名な北極星を持っていて、一年中見ることができます。

 星の並びもおおぐま座に非常に似ています。

 この北極星の固有名はポラリスです。

正式にはステラ・ポラリス(極の星)が略されたものです。

 ちなみに、北極星と北斗七星は直接は関係ないのですが、

混同している人が多いようです。

 ギリシア神話は、おおぐま座の所をご覧ください。