冬の星座

  冬の夜空はとても星を見るのに適しています。

冬の夜空にはたくさんの1等星が輝き、明るくきれいです。

冬には全天一の美しさを表現されることも多いオリオン座があります。
このオリオン座は、数ある星座の中から一番人気もあるようです。

そのまわりには、おうし座や、全天で一番明るいシリウスを持つおおいぬ座 があります。そして、『こいぬ座ふたご座ぎょしゃ座』が輝いています。

オリオン座

オリオン座と言えば冬の代表的な星座の一つで、非常に美しいものです。

全天には、1等星と決められた明るい星は21個しかありません。 このオリオン座はその明るい1等星を二つも持っているのです。 さらに、2等星も5個あり、非常に目立ちます。

そして、オリオン座の中心には三つの星がきれいに並んでいます。 ちょうど、ここが腰のベルトに当たります。

このベルトをはさんで、1等星のベテルギウスとリゲルがあります。
ベテルギウスは、巨人の脇の下と言う意味で、リゲルは巨人の左足の意味だそうです。

ギリシア神話の中では、オリオンは、巨人の猟師、他の生物よりもずっと高い地位を神に要求したので、

神々がオリオンのうぬぼれに怒って、オリオンを懲らしめるため、一匹のさそりを放ち、

オリオンはさそりに刺されてそのまま死んでしまったといわれています。。

その後、オリオンは天に上げられましたが、それからも、

さそりを恐れて、さそり座が東の空に上ってくる前に、西の空に引っ込んでしまっています。

また、オリオン座の腰の位置に並んでいる3つの星ほ中央あたりには、M42星雲があり、暗い夜には肉眼でもうっすらと光のしみのようなものが確認できます。

ちなみに、M42星雲など、M**(数字)という星団はなぜこう呼ぶのかというと、フランスのシャルル・メシェが作成した星雲・星団のカタログ(メシェカタログ)の42番目に表記されているからなのです。

おうし座

おうし座は1等星の赤いアルデバラン(後に続くものの意味)を中心にVの字型に角を広げています。

ギリシア神話では、大神のゼウスがフェニキアの王女エウローペに恋をして、真っ白で、眼は優しく、美しい角をもつ雄牛になって、彼女に近づきました。 そして、エウローペもその雄牛になれて、背中に乗ってみると、

その雄牛はエウローペを乗せたまま走り出し、

そのまま、ギリシアの沖合いにあるクレタ島に連れて来てしまいました。

そして、今のヨーロッパ大陸がこの王女の名前『エウローペ』からつけられたそうです。

おうし座の肩のところにはプレヤデス星団(日本名:すばる)が輝いています。

全天で最も美しい散開星団がこのプレアデスです。

このプレアデスとは、天を支えているアトラスと、ニンフのプレイオネの間に生まれた7人姉妹で、両親と7人姉妹の名が、星団のそれぞれの星につけられています。

なお、プレアデスのメシェ番号は45番です。

ぎょしゃ座

ぎょしゃ座は冬の天の川の中にあり、双眼鏡で眺めると、

星座全体が微小な星に覆われていて、非常に美しい星座です。

ぎょしゃ座の中にある明るい1等星のカペラは、

1等星の中で、最も北に位置し、ほぼ一年中見ることのできる1等星です。

ギリシアでは、エニオクソス(鹿を抱くもの)と呼ばれ、

ローマ神話ではこのエニオクソスは、足が悪く、四輪の馬車を発明し、

その功績で王様となったばかりか、天に上げられて星座となったと言われています。

また、カペラは全天ではシリウスに次ぐ明るさを持ち、太陽によく似た黄色い星です。カペラとは、牝山羊のことです。

おおいぬ座

おおいぬ座は、全天一明るいシリウスが特徴です。

星座自体よりもこのシリウスのほうが有名です。

このシリウスという言葉もギリシア語のセイリオス(焼き焦がすもの)から来ています。

ギリシア・ローマ神話では、英雄アクタリオンの連れた犬、

又は月の女神の従者であるニンフ(妖精)のプロクリスが連れている犬とされていて、

非常に俊敏なことに、大神ゼウスが感心して、星座に加えたと言うことです。

古代、エジプトでは、シリウスは神として崇拝されており、ナイル川は毎年同じ時期に増水し氾濫し上流から運んできた豊かで肥沃な土砂を岸に残していきます。

紀元前2800年ごろのエジプトでは、シリウスが日の出まえに東の空に昇ってくるとナイルの増水が始まりました。

このシリウスが太陽に先駆けて昇るのを認めた日を年の初めとする太陽暦を定めていました。

こいぬ座

 こいぬ座は、1等星のプロキオンだけが目立つ星座です。

おおいぬ座と銀河を隔てて向かい合った所にあるのですが、

こいぬ座の星の形から犬の形を想像するのは無理に近いです。

このプロキオンという名前は、『犬の前に』という意味です。

これはシリウスを含むおおいぬ座より少し前に空に昇る星座であることを示しています。

ふたご座

ふたご座にはカストルとポルックスという2つの1等星が仲良く並んでいます。

ほとんど同じ明るさの星が仲良く並んで輝いているのが、日本でも興味を引いたらしく、

日本でも、めがね星、兄弟星、きんぼし様など、たくさんの名前が残っています。

ギリシア神話では、ゼウスとレダの間に生まれた兄弟で、カストルが兄で、弟はポルックスで二人仲良く暮らしていました。

ポルックスは、神性を持っていて、不老不死だったのですが、

カストルは死ぬ運命にありました。

そして、カストルが死んだとき、悲しんだポルックスは、

大神ゼウスに、自分も死にたいと頼みました。

その願いを聞き、ゼウスは、二人を仲良く天に打ち上げたとい言うことです。